秋田県の比内鶏、愛知県の名古屋コーチンとともに日本三大地鶏の一つの薩摩鶏は、800年ほど前の薩摩藩祖・島津忠久の時代から飼われていたといわれています。
薩摩鶏
足が長く尾羽も長く美しく観賞用として、また気性が激しいので薩摩武士の士風高揚のために、闘鶏として闘わせていました。
その際に負けた鶏をその場でしめて食べていたという記録が残っています。
闘鶏が禁止された後も、各家庭で鶏は飼われ、祝い事の席や来客がある時にごちそうとして調理して食べてきたそうで、鹿児島には昔からいろいろな鶏肉料理がありますね。
現在では天然記念物に指定されたいるため、薩摩鶏は観賞用として飼育されていますが、血液割合が50%以上のものを地鶏と呼ぶことができるので、種鶏としてかけ合わせることで、3つのかごしま地鶏が誕生しています。
かごしま地鶏とは

「さつま若しゃも」「さつま地鶏」「黒さつま鶏」の3つです。その特徴などを紹介します。
さつま若しゃも
オス:薩摩鶏、メス:ホワイトプリマスロック
翌年に開催される「太陽国体」で、全国から集まる大勢の人に楽しく味わってもらおうと、1971年に開発された、かごしま地鶏の先駆者的な鶏です。
28日齢以降平方メートルあたり10羽以下の飼育密度で平飼いし、飼育期間は80日以上。
現在でも安心安全に、安定的に供給されています。
さつま地鶏
オス:薩摩鶏、メス:在来種・ロードアイランドレッド
県畜産試験場において1990年より、上記の交雑鶏を12世代にわたり交配を繰り返し、10年の歳月をかけてうまれた地鶏です。
赤味が強く、うま味成分を多く含み、甘さを感じる滋味があります。水分が少なく低脂肪でキメが細かいため、柔らかさの中にも適度な歯ごたえも楽しむことができます。
H17地鶏・銘柄鶏コンテストで最優秀賞を受賞した、県の知識と技術、そして“本物”を目指す情熱を注いだ、集大成ともいえる地鶏です。
黒さつま鶏
オス:薩摩鶏、メス:横斑プリマスロック
県畜産試験場が、黒牛・黒豚と並ぶ「鹿児島の新しい“黒”」にこだわり(冗談ではなく本気で!)、2001年から6年もの年月をかけて開発しました。
水分が少なく締まっていて、繊維質が細かい肉質。柔らかいですが弾力もあります。うま味成分を多く含んでいて、脂乗りも良くジューシーな食感です。
地鶏の定義は厳しい

近年「地鶏は安心安全で、しかも美味しい!」と人気も上がってきていますが、だからと簡単に生産量を増やせないでいます。
それはなぜかというと、地鶏と名乗れる鶏にはJAS(日本農林水産規格)で定義されている厳しい決まりがあり、それを全てクリアできなければ「地鶏」として認定されないからです。
地鶏の「地」は飼育される地域などの「産地」の「地」と思われがちですが、「広々とした地面を自由に動ける状態で飼育する」の「地」からきているそうです。
以下4つが「JASの定義」です。
- 在来種由来の血統が50パーセント以上であること。在来種とは、明治時代までに日本国内で成立したか、導入されて定着した鶏の品種のことで、烏骨鶏や尾長鶏、コーチン、比内鶏、薩摩鶏など38種類があります。
- 孵化日から80日以上飼育していること。
- 孵化してから28日目以降は、鶏舎の中か屋外で、鶏が床か地面を自由に動き回れる「平飼い」で育てること。
- 孵化してから28日目以降は、1平方メートルあたり10羽以下の環境で飼育していること。
とくに厳しいのは、1.の「在来種由来の血統が50パーセント以上であること。」でしょうか‥‥。
種鶏となる薩摩鶏は繁殖性が低いうえに、出荷まで飼育日数と手間がかかりコスト的にかなり割高になってしまうので、たくさん出荷したくても大量飼育が難しいのだそうです。
そんなわけで現在、地鶏が占める割合は、国内での食用鶏の出荷量のわずか1%にすぎません。
いかに貴重なものかお分かりになると思います。
調べていて私もビックリしました。「こんなに少なかったとは! そりゃ、普通のスーパーなどでは見かけないはずだわ~」。
かごしま地鶏を味わう機会がありましたら、薩摩の歴史とともにある奥深い旨さを堪能しつつ、ぜひ舌鼓を打ってください。

んだもしたん(あらま)!

地鶏は貴重やったいね~


