鶏(2)-鶏王国、鹿児島- 約800年前から飼育していた記録が!

鶏-卵-親子丼 名産品

全国的にも、鶏肉はよく食べられている食材ですね。
その中でも特に九州の鶏肉の消費量は多いといわれています。鹿児島県も例外ではなく、よく食べられていますが、鹿児島の鶏肉を食べる習慣はいつ頃から始まったのでしょう。

鹿児島の鶏を食べる歴史

鶏料理-鶏飯

鹿児島県や宮崎県の一部を含む旧薩摩藩領一帯は、約800年前から薩摩藩祖・島津忠久の時代には薩摩鶏を闘鶏として飼育していた記録があります。
鶏を飼っている家庭も他の地域よりも多く、正月や来客があった時などに、ご馳走としていろいろな料理で鶏を食べてきました。
鶏のたたきや煮しめ・薩摩汁・鶏飯など、今でも頻繁に食卓に登場します。

とはいえ、昔は鶏肉は高級品で牛肉より高かったそうです(まあ、日本人が牛肉を普通に食べるようになったのは明治時代以降ですが)。
鶏肉が手頃な値段で売られるようになり頻繁に食べられるようになったのは、戦後にアメリカより「若鶏(ブロイラー)」が導入されてからだそうです。
鹿児島県は昔から鶏料理を食べてきたこともあり、その導入も多く全国の鶏肉ランキングで、毎年宮崎県と1位〜2位を争うほどの生産量を維持しています。
採卵量も2位か3位をキープしていて、鶏王国ともいえる状況です。

若どり(ブロイラー)とは

若どり(ブロイラー)は、短期間で出荷できるように、アメリカで白色コーニッシュのオスと白色プリマスロックのメスを交配させ、改良を加え誕生させた種が大半です。
孵化日から約50日前後で出荷できることや、28日齢以降は1平方メートルあたり16羽前後で飼育することで、コストを低く抑え、地鶏より安価で販売できるのが特徴です。
肉質も若鶏なのでやわらかく、淡白なので焼き鳥や唐揚げなどに向いています。

最近では、多少値段が高くても「より安全で自然に近い状態で飼育された鶏肉」「味わいが深いおいしい鶏肉」を求める消費者が増えているので、地鶏のブームもあります。
しかし「かごしま地鶏」の記事にも書いたとおり、地鶏は条件が厳しく生産量を増やすのは難しいということもあり、銘柄鶏というブランド鶏の生産が増えてきています。

銘柄鶏とは

銘柄鶏とは、一般社団法人 日本食鳥協会のサイトの説明によれば、飼料や環境などに工夫を加えて飼育されることにより、一般的なブロイラーよりも味や風味などを改良した鶏のことです。
JASによる定義はなく、ブロイラーと同じ種類の「若どり系」と、赤鶏の両親を持つ「赤系」に分類されます。
要するに、飼育方法を平飼いにしたり、養鶏会社独自の栄養価の高い、あるいは抗生物質を使用しない飼料を与えたりして、若どり(ブロイラー)より手間ひまをかけて飼育されているブランド鶏のことですね。

国産鶏肉の出荷の割合(2011年←ちょっと古い)では、若どり(ブロイラー)54%、地鶏1%、銘柄鶏(赤系)2%、銘柄鶏(若とり系)43%になるようです。

鹿児島県でも銘柄鶏の生産は増えてきており「薩摩ハーブ悠然どり」「健康咲鶏」「桜島どり」「桜島どりゴールド」「赤鶏さつま」「南国元気鶏」などがあります。
参考:全国地鶏銘柄鶏ガイド
私が住んでいる(関東)近くのスーパーでも見かけることがありますね~。鹿児島県産ということが分かるのが嬉しいです。

また、チキン事業の生産から加工まで一貫製造をしているジャパンファームの垂水工場は、KFC社の厳しい衛生基準や質量共に安定した製品供給ができることをトップで達成し、1988年「日本ケンタッキーフライドチキン社認定工場第一号」になったのだそうです。

鶏肉-ケンタッキー

鶏肉の栄養価

鶏肉といっても部位により含まれる栄養素に違いがありますが、ひとつの例として、ムネ肉皮なし100gあたりのカロリーは約116kcalになります。糖質は0.1gほどで全体的に低カロリーですね。
鶏肉のタンパク質は、必須アミノ酸をバランス良く持っている「アミノ酸スコア100」という良質なもの。
その中でも「メチオニン」というアミノ酸には、肝臓に脂肪がたまるのを防いで肝機能を保護してくれる働きがあり、「トリプトファン」は、別名「しあわせホルモン」と言われるセロトニンや睡眠を促すメラトニンの生成の材料になるので、ストレスの軽減や睡眠の質の改善に役立ちます。
また、鶏肉の筋肉に含まれるイミダゾールペプチドには抗酸化作用があるので、疲労回復に有効だと言われています。
他にもビタミンAやビタミンB群、セレン、ヘム鉄など、豊富な栄養素を含んでいます。

鶏肉の特徴や栄養と効能は、下記にまとめてあります。

採卵用の鶏

卵を採るための鶏は、それに適するように欧米で新種改良された「白色レグホン」という品種が大半だそうです。
採卵できなくなる頃は成鶏になって肉も皮も硬くなってしまうので、ソーセージやミートボールなどの加工品原料になっているようです。
大切な命を無駄無く食べるという観点から考えると、よいアイデアではないでしょうか。

畜産業に限らず、何の生産でもそれぞれに大変な苦労があるとは思いますが、これからも、安心安全で歯ごたえのあるおいしい鶏肉が、どんどん増えていってくれたらいいですね。

ほとんど毎日、

鶏肉か卵を食べちょっでなあ

だよ、だよ~!

鶏肉-焼鳥

参考資料:
畜産物流通調査 食肉流通統計
お役立ち!季節の耳より情報局 鶏ランキング
JAPAN FARM チキン事業

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