高い糖度と程よい酸味、そして果汁たっぷりな南国の柑橘「タンカン」

タンカン-籠入り 名産品

タンカンは、ポンカンとネーブルオレンジの自然交配種のタンゴールの一種。
原産地は中国広東省で、台湾を経由し日本へは明治の終わり頃に奄美大島などの南西諸島に移植され、昭和9年頃より本格的な栽培が始まったそうです。

日本での生産量は鹿児島県が日本一

日本での生産量の80%ほどが鹿児島県で栽培されています。
平均気温が19~22℃の湿度の高い地域に育ち、栽培地域は奄美大島・徳之島・屋久島や枕崎市・肝付町内之浦など。
収穫時期は2月~3月と、限られた期間しか味わえない柑橘です。

タンカンの特徴

木に実る-タンカン

17度以上という高い糖度と程よい酸味があり、その酸味が甘さを引きたて、濃厚で果肉が柔らかいのが特徴。
キレイなオレンジ色をしており、温州ミカンよりも皮が硬いですが、果汁が多くジューシーです。

タンカンの表面のボコボコは親譲り

タンカンの片親は表面がボコボコしたポンカン。
そのポンカンの表面の特徴を受け継いで、ボコボコしているんですね。

表面に傷や斑点があっても、味には関係ありません!

栽培されているのが台風もよく通る南方地域であるため、風により枝に擦られたり、隣同士で擦りあったりするので、表面に傷があるのも多いです。
また、ほとんど無農薬で育てていることもあり、虫や猪に食べられないように気をつけなくてはいけませんが、傷があっても中身には影響はなくジューシーさを保っています。
硬い皮が、そういう外敵から中身を守っているわけです。

タンカンの栄養

タンカンの大きさはマチマチですが、平均すると1個150gぐらい。

同じ大きさの温州ミカンと比べると、低カロリーなのですが、抗酸化作用のあるビタミンCは2倍、β-カロチンは1.5倍ほど含まれているそうです。
お肌だけでなく、アンチエイジングや風邪・生活習慣病予防にも効果が期待できます。
クエン酸も含まれているので、疲労回復にも役立つ果実です。
小腹が空いたりひと休みの時などに、オヤツにちょうどいいですね。

タンカンちゃんは
おまんさあの親戚じゃなかね?

じゃっど!んからん

(そうなんだけど)
タンカンちゃんが2月から3月、
あたしが12月だから、

あんまり会えんのよ~

タンカンの保存方法

タンカンの保存は、2~3月と寒い時期が収穫期で硬い皮が守ってくれるため、風通しの良い冷暗所(5℃~10℃)で、常温が基本です。
これで3週間ほど保存できます。

通販で箱買いしたり、大量にいただいたりすることがあるでしょう。
これはタンカンに限った話ではありませんが、段ボールの箱に入って届いた時は、まず一度全部外に出しましょう。
箱の下にあるものは、とくに箱に中で圧を受け湿気もこもっています。一度外に出すことでタンカンだけでなく湿気た箱も乾燥させることができ、カビ防止になります。
それから硬いヘタの部分を下にして入れ直します。2段以上になる場合は、間に新聞紙などを挟むといいです。そして時々上下を入れ替えると長持ちします。

冷蔵・冷凍する場合

冷蔵する場合は、乾燥しないように(乾燥すると酸っぱくなる)個々を新聞紙などに包み、ビニール袋に入れ野菜室へ。
保存期間の目安は2~4週間です。
そのまま冷凍もできます。食べる時は自然解凍で。

タンカンの皮の剥き方

一般的には、ナイフで縦に4ヶ所の切り込みを入れクシ形にカット、ヘタの反対部分に沿って皮を剥き小房に分けます。薄皮の上部をナイフで切り落として薄皮を剥きます。

ですが、けっこう手でも剥けます。
ヘタの反対部分に指の爪で線の切り込みを入れ、そこから一気に割ります。そのあとは皮は薄いのでヘタの方から手で剥けます。

食べ方やアレンジ

タンカンの皮-鶏飯

皮が剥けたら、お口にポイッ! 袋(じょうのう膜)も薄いのでそのまま食べられます。

タンカンは果汁が多いので生搾りでジュースとして、またママレードやジャムにしておくと、保存にもなりますね。
ジャムを作る時は種も一緒に煮ると、種にはペクチンという天然のゲル化剤が含まれているのでトロミがでます(後で煮ている時に浮いてきたら取り除く)。

残った皮は香りが良いので、奄美大島などでは乾燥させ細かく刻み鶏飯の薬味として入れたりします。
ネットに入れた乾燥皮をお風呂に入れると、トロピカルムードの香りのタンカン風呂となり、リラックスしたお風呂タイムになるかもしれません。

タンカンの購入

出荷時期が2~3月と限られているため、その時期は次々と全国に出荷されていますが、全国のスーパーなどでは気軽に見かけることはあまりないかもしれません。
通販でも販売されています。通販では採れたてのタンカンを瞬間冷凍した「冷凍タンカン」も購入できます。これを冷凍保存しておけば、旬が過ぎた頃でもタンカンが食べられるのでいいですね。

また加工品として、ジュース・アイスクリーム・ゼリー・ピール(皮の砂糖漬け)・タンカンの果汁を入れた焼き菓子や、黒糖焼酎にタンカンの果肉を付け込んだリキュール・たんかん酒などの人気も、どんどん高まってきているようです。

タンカン-ジュース

参考資料:
THE SCENE タンカン
いっちば 奄美直産 タンカン
自然と、奄美と、生きる。㈱奄美大島開運酒造
wikipedia タンカン

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