温暖で太陽の光をたっぷり浴びて育った、鹿児島のそら豆(青果)

そら豆-焼く 名産品

イスラエルの新石器時代の遺跡からも出土しているほど、そら豆の食用としての歴史は長く、4000年以前にはエジプトで栽培されていたそうです。
インゲンマメが普及するまでは、エジプト・ローマなどにおいて主食として、世界各地で食べられてきた豆です。
日本へは奈良時代にインドの僧侶が中国を経て持ち込んだと言われています。
名前の由来は、空に向かってサヤを伸ばし実をつけるから「空豆」と呼ばれるようになったという説があり、向上心を感じさせる元気な豆ですね。

鹿児島県での栽培

そら豆-栽培

鹿児島県での生産は昭和になってからで、1952年に栽培を始めたそうです。
途中、連作障害などで栽培を中止しなくてはいけないなど、いろいろ苦労しながらも、徐徐に作付け面積を増やしてきました。
主な産地は、阿久根市・和泉市・長島町の鹿児島県北側と、鹿児島市・指宿市・南九州市の南側です。
栽培開始は遅かったのですが、鹿児島の温暖な気候のなかで、生産者やその関係者の方々の努力が実り、現在では鹿児島県のそら豆は、作付け面積・出荷量ともに全国1位!になっています。

品種は「陵西一寸」「指宿陵西」「唐比の春」。
ほとんどが露地栽培ですがハウス栽培もあり、温暖な気候のおかげで、鹿児島県の南側は12~4月に、北側は4月~5月のゴールデンウィーク頃が出荷のピークです。
このリレー形式の出荷形態をとることで、12月~5月上旬まで、ほとんど鹿児島県産が占めているそうです。

そら豆(青果)は鮮度が落ちやすく、美味しく食べられるのは収穫されてから3日間だといわれていますので、出荷の時にも気を遣っているそうです。
そら豆のサヤは上に向かって成長しますが、それが下がってきたら収穫のタイミング。
朝収穫したそら豆をすぐ選果場に運び、大きさで選別し配送まで予冷庫で保管。トラック輸送も低温車を使うなどして品質が落ちるのを防いでいます。
そうして、2日目には福岡や四国、3日目には関西・中京・関東の店頭に並ぶようにしているのだそうです。

鹿児島ブランドに認定

そら豆-指宿のそら豆畑
指宿のそら豆畑

温暖で太陽の光をたっぷり浴びて育った鹿児島県のそら豆は、大粒で甘みも強く味も濃いと、市場関係者や消費者の方々から高い評価を得ています。
また、品質・安全とともに高い水準のそら豆として「かごしまブランド」としても認められています。

そら豆の栄養価

そら豆は、昔、主食として食べられていたように栄養価の高い豆です。
可食部100g(約20粒)あたりのカロリーは108kal。
タンパク質や炭水化物が多いですが、ビタミンB群・ビタミンC、ミネラル類もカリウム・亜鉛・鉄・銅などが含まれています。

ビタミンB群は、食べたタンパク質・炭水化物・脂質のエネルギー代謝に補酵素として働くビタミン。
筋肉や皮膚・赤血球など、体のあらゆるものを作り、正常に動かすのに必要です。
多く含まれる不溶性食物繊維も、胃や腸で水分を吸収し大きく膨らむことで、腸の蠕動運動を活発にさせ、便通を促してくれます。

とくにソラマメの薄皮に多く含まれているので、薄皮ごと食べると効果的です。

美味しいソラマメの選び方や食べ方

そら豆-新鮮

美味しく食べられるのは収穫されてから3日間だといわれているそら豆。出来るだけ買ったその日に調理して食べるようにしましょう。
店によってはサヤから出し豆だけ売っている場合もありますが、サヤから出すと鮮度が落ちやすくなるので、なるべくサヤごとのものを購入し、調理する直前にサヤから取り出すようにしましょう。

新鮮なものは、サヤの色があざやかな緑色でツヤがあり、ふっくらとして豆の形がわかるもの、手に持った時に弾力があり重さを感じるものが水分をたっぷり含んでいますので、そのあたりを注意して見てみましょう。
新鮮だと、豆の黒い部分(おはぐろ)もそんなに黒くなっていなくて、薄皮も柔らかく、茹でたり焼いたりするとそのまま食べられます。
茹でる時は、ソラマメに含まれる栄養分のビタミンB群やビタミンCは水に流れやすいので、出来るだけ短時間で行いましょう。
焼いたり蒸したり煮たり、ポタージュにしたりする調理法だと、栄養が流れ出さないのでこれもよい方法ですね。煮汁ごと飲み干しましょう。

冷凍保存も可能

どうしても購入した日に食べられない場合は、冷凍保存も可能です。その時はすぐに冷凍しましょう。
茹でてから冷凍すると水っぽくなるので、生のママがよいようです。
サヤごとの方が鮮度は保てるので、そのままフリーザーパックに入れ、出来るだけ空気を抜いてジッパーをしっかりと締めて冷凍保存。
豆だけでも大丈夫です。薄皮に少し切れ目をいれてから、同じように空気を抜いて保存しましょう。

そら豆の特徴や栄養価は下記にもまとめてあります。

通販などで購入する場合

近頃は住んでいる場所によっては「早く届き新鮮なものを食べられる」と、通販などで購入する人も増えてきているようですね。
購入する時、サヤごとなので量はどのくらいにすればいいか悩むこともあると思うので紹介しておきます。
だいたい2kgでサヤごと約40本。これで可食部(豆部分)が約600gで100粒ほどなのだそうです。

何しちょっと?

そら豆どんを見習って、

上を見とる!!

そら豆-揚げる

参考資料:
かごしまのそらまめ
指宿市 そらまめ
鹿児島県出水市・阿久根市・長島町 そらまめ
まめそら

タイトルとURLをコピーしました