生卵が食べられるって幸せ? そして「ロッキー」のこと

生卵-6個 ぶろぐ

管理人が子供の頃、毎日朝ご飯の食卓に鶏卵が出てきましたが、それは生卵ではありませんでした。
温泉卵ほどではなく、沸騰したお湯でちょっと湯掻いたくらい。
理由は今となっては確認しようもありませんが、たぶん母が生卵を食べられなかったからでしょう。
若い頃に生卵を食べて食中毒になった経験があるか、そういう人が周りにいて苦しんでいるのを見たのかもしれません。

大人になるまで、生でも食べられるということを知らなかった

温泉卵-卵かけご飯

現在ほど頻繁に外食する時代でもなかったですし、実家も裕福ではありませんでしたが、一度何かのお祝いだったか?で家族でステーキハウスに行ったことがありました。
母の命令で、一張羅を着て「こういうお店は慣れてますのよ、ホホホ…」という気取った顔を家族全員が必死に作り、席に座っているというのに、お店の人の「焼き加減は如何いたしましょう」の問いに、母が「他の人は普通で。私のだけは中までよく焼いてください」と答え、『そこはミディアム、ウェルダンと言ってよ~。慣れてないことを自分でバラしてるじゃん!』と心の中でツッコミを入れたことがありましたね~。
まあこのように、もともと生臭いのが苦手な人だったので、生卵(とくに透明な白身?)が好きではなかったのでしょう。
卵かけご飯を食べるとしても、ご飯の上にパカッと卵を割った後、殻にうっすらと付いた白身をスプーンで剥ぎ取ってから食べていました。

そんなわけで、私は実家を離れ上京するまで「卵は生では食べられない」という認識だったので、生卵を普通に食べているのを見て、すごくびっくりしました。
なんだー、卵は生でも食べられるじゃん!
だからって「損した!」と思っているわけではなく、殻に張り付いた白身をスプーンで剥がすのは、カップアイスの蓋に付いたアイスを舐めるオマケみたいな感じで、ちょっと面白くもありました。
黄身がトロトロの目玉焼きを作ってご飯の上に乗っけて食べるのも、それはそれで美味しいですしね。

ただ、ご飯を炊いて味噌汁を作り、鰹節をカンナで削りニガゴイ(ゴーヤ)をカットするといった、今よりも朝に行うことが多かった時代。それに加えて毎朝卵を湯掻いていたわけで、面倒くさくはなかったのかなぁ…と考えることはあります。
卵焼きやこがやき(伊達巻)、茹で卵などは好んでよく食べていたので、卵を嫌いなわけではなく、生卵が本当に苦手だったんでしょうね。

映画「ロッキー」には生卵を飲み干すシーンが!

日本では生卵を食べるのが好きな人が多いので、生で食べても食中毒を起こさないように、様々な工夫をして、かなり気を遣って卵は生産されていますが、世界では卵を生で食べられる国は多くありません。
アメリカもその一つで、現在でもサルモネラ菌での食中毒の危険性があり、生では卵を食べないのが常識です。
オムレツやスクランブルエッグなども、黄身がトロトロの状態では食べず、しっかり中まで火を通して食べられていますね。
それで思い出したのが、「ロッキーって生卵を飲んでいたよね〜」ということ。大丈夫だったんだろうか?

ボクシング-イメージ

1976(昭和51)年に製作された映画「ロッキー」。
「まだ生まれてないよ」という人も、主人公のロッキーが縦長コップに生卵を5個割り、一気に飲み干すシーンは有名なので、知っているという人も多いのではないでしょうか。

映画「ロッキー」は、素質はあるのにトレー二ングもせず自堕落な毎日を送っていた貧乏ボクサーのロッキーに、アメリカン・ドリームのチャンスを与えるという、世界ヘビー級チャンピオンと対戦するという話が舞い込んできたところから始まります。
最初は「勝てるわけないでしょ!」と申し出を断ったロッキーでしたが、愛するエイドリアンに「自分はゴロツキではない」を証明するために、猛特訓して試合に挑む・・・。
ラストに向かってどんどん盛り上がっていき、最後は大歓声の中、観客もすごく元気をもらい、めちゃくちゃ感動するという名作映画ですね。

その猛特訓を始めるという日、朝4時に起床したお金の無いロッキーが、手っ取り早く筋肉をつけ栄養補給するために、縦長コップに生卵を5個割り一気に飲み干すというシーンがあります。
日本では「生卵を5個も、しかも箸で溶きもせず醤油もかけずに一気に飲み干すなんて、気合入ってるなー!」ぐらいのインパクトでしたが、アメリカでの反応は、案の定というか、そんなものではなかったのだそうです。
この生卵を飲むシーンになると、映画館内のあちこちから悲鳴とブーイングが上がり、なかには吐きそうになる人、具合が悪くなる人が続出したらしいです。

映画「ロッキー」は、まだ売れない無名の俳優だったシルベスター・スタローンが自ら脚本を書いての持ち込み企画なのに、いつの間にか生卵を飲むシーンが付け加えられており、スタローンも「聞いてないよー!」と最初は拒みました。
しかしプロデューサー側は「このシーンは、ロッキーが命がけで頑張っていることを印象付けるために、絶対に必要だ!」と頑として譲らず、スタローンも渋々撮影に応じたとか。
なので、このシーンのためだけに保険がかけられ、スタローンは特別ボーナスを貰ったという、本当に命がけの撮影だったのだそうです。
その甲斐あってか、「ロッキー」は皆さんご存知のように世界中で大ヒットし、スタローンは一躍スターダムを駆け上がり、まさしくアメリカン・ドリームを自ら体現したわけですね。

管理人だけがこの映画を観ながら『へぇ~、アメリカでは生卵が食べられるんだ! 羨ましいなぁ』などと、トンチンカンなことを考えてました~~(笑)。

さっかぶい(久しぶり)に
こがやきを食もいたくなったわ〜!

参考資料:
DIAMOND online 映画『ロッキー』の生卵飲み干しシーンで米国人観客が悲鳴を上げた理由

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